Wantedly Culture Book 2014を読んで

おかげさまで前回の記事”Goodpatchへ転職しました!”が約1400PVでした。

 

引き続き、自分の感じたことを発信し続けて、自分の思考の整理をしつつ、自分を理解してもらって何か素敵な出会いのきっかけになればいいなあと思っています。

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先日、仲さんを通してWantedlyに遊びに行ってWantedly Culture Book 2014をいただいた。

どうやら外部の人で手に入れたのは6人目だったらしい。

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Wantedlyと仲さんについては以前の記事「シゴトでココロオドル人を増やす」でも書いているが、とても素敵な会社/人である。

そんな会社がどのような文化・考え方の元、働いているのか、それを本にしたのがWantedly Culture Book 2014である。ページ数は38ページだが、内容はとってもボリューミーでしっかりと理解して読み終えるまでに2時間もかかった。

 

その中で自分が共感した10の部分について咀嚼したいと思う。

 

  1. シゴトでココロオドル≠やりたいことをやる。

これはだいぶハッとさせられたことだが、シゴトでココロオドル状態を、やりたいことをやっている状態と単純に理解してはいけない。

“人が生み出すものは全てニーズがないと持続的に存在できない。

何かを一生懸命やって、それが仮に自分がやりたいことだったとしても、誰も気づく人や感謝してくれる人がいなかったら、それは存在していないのと一緒。”

やりたいこと<やるべきこと をやっていくべき、という論。IMG_8868

 

2. ビジョンの在り方

“全ての企業はビジョンがあるべきだが、そのビジョンへのたどり着き方は多種多様でいいと思う。例えばWantedlyがココロオドル人を増やすためにサラリーマンに1日3組限定で旅館を300年やったていい”

このように、目指す世界はあるべきだが、目指すための手段は会社ごとに変わっていいし、変わるのが当然だよねー、という話。

 

3. 最短距離の最大社会的インパクトを狙う。

つまり一番効率がいい手段で最大のインパクトが出る事業を狙う。

だからテクノロジードリブン。世界中に一気に提供できる。”Wantedlyを通じて「働く姿勢」が変わる人の数を増やしていきたいと思っている。”

 

4. 企業の中心となる活動は「プロダクト」「ビジネスモデル」「組織」

*プロダクトにおいては”シンプルかつ使いやすくて、<結果がしっかりと出る>ことが大事。WantedlyAdminで言えば<求めている人と出会える>という結果である。”

*ビジネスモデルにおいては、(GoogleAdwordsのように)”薄く広く取るモデルの方が、より良いプロダクトを世界に広めていくことがしやすい。どんどん新しい事業部をたちあげるよりも、1つの優れたサービスを水平展開していきたい。”

*組織においては、”「作るプロセス」が重要。プロダクト中心の会社であるためには、「作れる」人が中心となっていくべき。プロダクト中心の会社は全員コードがかけるべき。だからコードが書けないディレクターなんていらない。”

ここはだいぶWantedlyの色が出ているのかなあと思う。

 

5. その会社のカルチャーは会社の事業モデルから派生したもの。

“自分の仮説をがんがんぶつける人が社内評価No.1になる会社もあれば、クライアントの言うことを実直にこなすことが社内評価No.1になる会社もある。それは事業モデルに依存していて、カルチャーでもある。だからどちらが良い、悪いの議論ではない。しかし刻一刻と変化し続ける現代においては、自分で自律して考えて行動できる人の方が強い。”

 

6. オーナーシップがある人が働きやすい環境は、「失敗が奨励され、許容される環境」。

オーナーシップ≠やりたいことができる

オーナーシップ=やるべきことを自分ゴト化してやりきる力。

以前仲さんにも言われたが、NTTのような大企業はなかなかこのオーナーシップというのを取りにくい。いわゆるリーンスタートアップも実践しにくいなあというのが自分の感想である。

 

7. コミュニケーションの重要性

なぜWantedlyは毎朝9時に集まるのか=イノベーションを加速させるため

“コミュニケーションの9割は言葉以外だから。人と話すことが新しい組み合わせを呼ぶ。”

 

8. ユーザー中心

“ユーザーが「何を言ったか」ではなく「どういう反応をしたか」「どういう動きをしたのか」にフォーカスして考えたほうがいい。”(オーバースペックを防ぐため)

“自分がターゲットユーザーではないのに「自分はこう思う」と議論するのも時間の無駄。ターゲットユーザーに触ってもらうこと。無駄な議論、会議をせずに、とにかくやってみること。”

“code wins arguments.”

これはだいぶリーンの考え方であり、デザイン思考の考え方でもある。「観察から始まる」とはまさに何を言ったかではなく、どういう反応をしたかである。

 

9. マーケット

“ニッチなマーケットから狙っていくのが定石だが、そのニッチなマーケットがあまりにも小さすぎるとサービスとしての持続性は低くなる。”

これはPeter TheelがZero to Oneでも言っていることだが、戦略の定石としてはまずはある程度絞ったニッチな分野で圧倒的に勝ち、その後周辺の市場にスコープを広げていくことである。でも小さすぎてもダメだよーという話。

 

10. コップに水をためる

“サンクコストに固執せず、コップに水をためていく行為が大事。”

これについては仲さんのブログ ”コップに水をためよう” を読んだほうがいい。

若い人必読。

 

以上が参考になった部分の抜粋である。

 

このように、会社の存在意義や行動指針を示す「カルチャーブック」はこれから日本において流行るだろう、と仲さんは言っていた。

確かに、「お金」という幸せの指標から「自己実現」という幸せの指標へと変化してきた現代、その会社がどんな価値観でどんな文化を持っていてどのような世界を目指していくのかを知りたい・発信していくのは自然な流れである。

職種としてもLoftworkではCulture Makerがあったり、DesignitではCVO(Chief Visionary Officer)があったり、CRAZYでは文化そのものが会社であるとのような勢いである。これから、いわゆるクレドのようなカルチャーブックがスタートアップ界隈でブームになるのが想像できる。

 

自分もGoodpatch Wayを、作っていきたい。

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