備忘録:グッドパッチに入るまでのストーリー

1年と4ヶ月ぶりのブログ更新。これは備忘録的な感じで、グッドパッチに入るまでのストーリーを残しておきます。

 

大学4年、インターンそして就職へ

振り返れば大学4年生の夏。大学の先輩の紹介で、KLab株式会社というソーシャルゲームの会社で長期インターンをしていました。インターン先は「事業開発部」という非ゲームの領域でKLabの新しい収益を作ろう、という部署。そこでは業界で知らない人はいないであろう社長真田さんの元集められた優秀な人たちが働いていました。

 

詳しくは書けませんが、ソーシャルゲームとは関係のない産業で、KLabが培ってきたノウハウを使って大きな事業を立ち上げようと、熱気が渦巻いていました。思えばここから、”事業を立ち上げる”ことに興味を惹かれていったんだと思います。

 

当時の役員や上司に可愛がってもらい、事業を立ち上げる上で指示されたあらゆる産業を調べました。まだ学生で社会の仕組みがよくわかっていない中で、シリコンバレーのスタートアップを調べたり、アメリカやヨーロッパとテレカンで交渉する日々。ちょうどKLabが12周年を迎える日だったこともあり、盛大にパーティーをして「これが六本木ヒルズのベンチャーか・・」と、半ば勘違いもしながら充実した日々を送りました。

 

今振り返ると、ここでお世話になった先輩方は今でこそ方々に散っていますが、KLab子会社の社長をしていたり、FinTech分野・広告分野・お祭り分野・グロースハック分野で全員それぞれ会社を立ち上げていたり、CDOになっていたり、本当に実力ある人格者に囲まれてたんだなと改めて思います。

 

そして就職へ。インターン先のKLabに行くか、内定をもらったNTTに行くかとてもとても悩みました。きっと勇気ある人だったら迷わずKLabを選んだと思います。しかし自分は「日本で人気の大企業で働いてみたい」というミーハーな心が勝ってしまい、NTTに進むことを決めました。まさかこの選択が、今自分がGoodpatchにいる必然的な理由になるとは当時思ってもいませんでした。

 

NTTでデザインに出会う

そうして新卒でNTTに入社し、数ヶ月の研修を経て「サービス企画部門」配属になりました。いわゆる事業開発の部門で、050plusという当時EXILEのCMをやっていたIP電話アプリのチームに配属になります。

 

その時の上司は、050plusの生みの親で、電話収入で成長してきたNTTのビジネスモデルをNTT公式の「IP電話」アプリをリリースすることで、電話収入を減らし、IP電話の定額料金で売上を立てるモデルでした。そうです、今の時代でいう「サブスクリプションモデル」です。

 

そんな上司や先輩の元、050plusを担当しながら、新しいサービスを立ち上げる組織横断チームに入れてもらいました。そしてふと話が飛び込んできました。

「佐宗くん、明日パートナーになるデザイン会社に英語で会社紹介のプレゼンしなくちゃいけないからお願いできる?」と。

 

いやいや配属されたばかりで会社やサービスのこと全然わからないし、しかも英語?!と。

その相手こそが世界で最も有名なデザイン会社だったのです。

 

デザイン思考の実践、そして初めて挫折を味わう

そんなこんなで新サービス創出プロジェクトがキックオフしました。

そのプロジェクトは「デザイン思考を用いてNTTの新しいサービスを企画する」というものでした。

 

大学も経営学部だし、KLabでインターンしていたような自分は、「デザイン思考?なんだそれ聞いたことないけど面白そう」とぼんやり思ってました。当時、まだデザイン思考というキーワードが日本では全くといって良いほど社会的に認知されていなかったのです。

 

そしてプロジェクトが進むに連れて、

「なんだこのアプローチ、新しい!経営学部で学ばなかったぞ」

「エクストリームユーザーへのインタビュー面白いなー」

「シンセシス?サクリフィシャルアイデア?ストーリーテリング・・・?」

「おお!動いた!え、もうサービスできてる!ビデオも・・!」

 

などなど、デザイン思考のプロセスやマインドセット、それに伴うチームの一体感や熱狂に心の底から驚き、感動したのです。最後のプレゼンが終わった時に自然とその場にいる全員から自然と拍手が起こり、ハイタッチが起こる。上司部下クライアント自社関係なく熱狂したこの成功体験は今でも決して忘れません。(ちゃっかりオフィスに入り浸っていましたw)

 

しかし、ここで悲劇は起きます。まあ今考えるとよくある話だと思うのですが、事業化判断で投資判断を得られなかったのです。当時は反応的反応で、「なんでこんな良いプロジェクトが打ち切りになるんだ!」とか「こんなに良いチームができたのに本当に悔しい」と思っていました。そしてその悔しさの反動で身体に異変が起きてしまい、会社に行けなくなってしまったのです。

 

再度のデザイン案件、運命的なGoodpatchとの出会い。

その後、若気の至りですぐに回復し、幸いなことに上司は再度チャンスをくれました。今度はとあるサービスのUI/UX改善をするプロジェクト。

発注するデザイン会社を探してくれと言われたので、必死にググりました。

上から何番目かに目につく会社がありました。

 

そう、それが”Goodpatch”。

すぐにお問い合わせフォームから面会を申し込みました。するとすぐに打ち合わせに繋がり、秋葉原の岩本町というところに面会に行きました。

その打ち合わせに出て来たのは、社長。そう、実は今の社長である土屋さんとの出会いはクライアントとデザイン会社という関係だったのです。

 

そこで打ち合わせの最後に土屋さんから一言。

 

「うーん、君はNTTにいないほうが良いんじゃない?」

 

いやいや隣に上司いますし!(笑)当時は上司も自分も苦笑いでした。

打ち合わせの結果としては「ちょっと今リソースがいっぱいで受けれないな〜」と速攻で断られ別のデザイン会社に発注することになるのですが。笑

 

結果として違うデザイン会社に発注をしたのですが、ここでも有名なUI/UXデザイン会社の1つにたまたま発注ができるというラッキーパンチ。ここでは半常駐レベルでオフィスを行き来させてもらい、「カスタマージャーニー」「画面遷移図」「Photoshop/Illustratorの使い方」「UI設計」「プロトタイピング」「パーツの書き出し」など、UI/UXデザインの基礎を叩き込んでもらいました。

 

当時は発注先のデザイン会社に自分専用のスペースとサンダーボルトディスプレイを準備してもらったほど。笑

 

そんなこんなで、2つのデザイン会社からデザイン思考とUI/UXデザインを教えてもらい、実際に実践をしていく中で、ふと内側から想いが生まれて来ました。

 

「デザイン思考はこんなにも素晴らしい考え方だし、UI/UXデザインは確実にこれから重要になってくる。なのになんで会社や社会はこんなにも無関心なんだろう。」と。

 

そしてGoodpatchへ

NTTでデザインを実践して浸透させていこうと思ったものの、日本を代表する大企業です。若手の自分が与えられる影響は微々たるもので、デザイン思考を広めるには時間がかかってしまうと考え転職を意識するようになりました。

 

「このまま大企業でデザインを浸透させていくよりも、むしろデザインの大切さを世の中に訴えていける会社はないだろうか。」

 

そう考えて1年前に出会ったGoodpatchのことを思い出したのです。たまたま参加したLeanUXのワークショップで土屋さんと、現ヨーロッパのManaging DirectorのBorisと再開したのです。

そこで改めて覚悟を決めて、土屋さんと面接をし、入社することを決めました。”世の中にデザインの価値を広めて、デザイン投資を促進し、自分のように悔しい思いをする人を出さない”ためにも。

 

そうして2015年1月にUXデザイナーとしてGoodpatchに入社しました。Goodpatchで何をやって来たかは、色々と書いているので以下を読んでください。

 

グッドパッチに入ってもうすぐ3年が経つ

 

グッドパッチに入って2年が経った

 

【Podpatch#23】グッドパッチのBizDevと語る、デザインを取り巻く環境の変化

 

(後ほどもう1つ記事を追加します。)